見てる姿を見られるのが、恥ずかしい。
「目、閉じてて」
「分かった」
「開けるなよ」
「あぁ。残念だけどな」
「バカ」
ザックスはアンジールの瞼が閉じられている事を確認する。
そして、そろりとアンジールの上に跨った。内股に彼の熱い昂ぶりが触れて、思わず息を飲む。この熱くて圧倒的な質量を誇る塊を、今から自分の内に自分で挿れるのだ。考えただけでも、大きな歓喜と僅かな不安に肌が震えた。
ゆるゆると腰を落としていく。アンジールの指先で熱く潤った後孔に、後ろ手でそっと彼自身を宛がう。
「ん……」
先端を僅かに飲み込んだものの、思い切りがつかなくて挿れられない。いつもなら入ってくるものを、今日は自分で挿れなくてはならないのだ。ザックスは中途半端に腰を落としたまま、正直どうして良いのか分からないでいた。
だって、こうするのは初めてだから。
「ザックス、平気か?」
「平、気……」
どうしたって平気そうじゃない。その証拠に、声も僅かに繋がった部分も震えている。アンジールは腕を伸ばして、ザックスの膝に触れた。ビクッと震えたが、そのままあやすように肌をさすってやる。
「力抜いて……ちゃんと息して、そうだ」
「う、ん……あっ」
ザックスはゆっくりと、でも確実に腰を落とした。アンジールの熱が自分の内側を満たしていくのが、物凄くハッキリと分かった。当然の事ながら、気持ち良さを感じる余裕なんて何処にもなくて、ただひたすらと迎え挿れるのみ。
漸く半分ほど埋めた頃。ザックスは躊躇いながらも、そっと見た。自分と彼が繋がっている部分を。感覚でしか意識していなかったものが、目の前に強烈な生々しさで存在している事実。
「あ……、ぁ」
ザックスの中で、羞恥と同時に物凄い恍惚感が沸き上がる。知らず知らずのうちに、アンジール自身ををきつく締め付けていた。
「ザックス、お前……見てるな」
「……見て、る」
「俺も、見て良いか?」
「え」
ザックスが顔を上げると、僅かに頭を上げたアンジールと目が合った。突然の予想外の事に、ザックスは暫し言葉を失い、動きを止めた。そして、みるみるうちに泣きそうな顔になった。瞳に涙を溜めながら、それでも後孔はアンジールをきゅうっと締め付ける。
見てる姿を見たかったけれど、お前の涙には本当に弱いんだ。
綺麗な涙が零れ落ちる前に、アンジールは起き上がってその愛しい体を両腕で抱き締め、涙を舐め取った。
「恥ずかしい事じゃない。な?」
「ん……、でも、恥ずかし」
「見て、どうだった?」
「どうだった、って……」
アンジールの背中に腕を回して、首筋に額を押し付けるようにする。顔を見られるのが恥ずかしいから。アンジールは優しくザックスの背中を撫で続けた。
「繋がってただろ?」
「うん」
「お前が挿れたんだ」
「うん」
アンジールの事を、上でも下でも抱き締めて締め付けて。ザックスはぴったりと合わさった部分から、じわりと快感が体全体に広がっていくのを感じていた。
挿れられるのも挿れるのも好きだと思いながら、アンジールの首筋を小さく舐めた。自分の内で、彼の熱が上がった気がした。
20100124