そんなところが


 開いたドアに、なだれ込むように入る。
 背中の剣を取られたかと思ったら、彼のバスターソードと共に壁に立てかけられた。装備を解く間もなく、顎を捕まれて口づけられる。
 「ちょっ……、待っ」
 「待てない」
 時折、彼は強引になる。
 そんなところが、実は好き。


 彼の指先で弄ばれている自分自身が、今にも爆ぜそうで切ない。
 いきたい、いきたい。
 そればかり、頭の中で叫び続ける。
 「もう……、嫌、だぁ」
 「まだ、だ」
 「ね……、お願、い……ぁ」
 「ダメだ」
 時折、彼は先へいかせてくれない。
 そんなところが、実は好き。

 
 薄く瞼を上げて、隣の彼を盗み見る。
 響く金属音。赤い炎に、白い紫煙。
 自分を愛した指先が、煙草を挟んで口元に運ぶ。
 ゆっくりと前髪を掻き上げる仕草に、思わず目を奪われる。
 時折、彼はとても大人だ。
 少し寂しいけれど、そんなところが、実は好き。


 「ザックス」
 「ん?」 
 「……愛してる」
 時折、彼はこうして愛の言葉を。
 そんなところが、実は好き。


 そんなこんなで。
 結局、彼がとても好き。