座ったままで
「大丈夫だ」
「やだっ」
「平気だから」
「平気じゃ、ないっ」
ザックスはその碧い瞳で、アンジールを心持ち睨んだ。でも瞳は熱ですっかり潤んでいて、それが却って彼を煽っているだなんて微塵にも思っていない。
いつもの寝室、いつものベッド。
甘くて優しい戯れを繰り返して体温を上げ、肌もしっとりと潤んで、ザックスがアンジールの熱を望んだ時。
ザックスは腕を引っ張られて、ベッドから起こされた。そして、アンジールのキスを受け、耳元でこう囁かれたのだ。
「座ったままで」
ザックスは一瞬、彼の言った言葉の意味が分からなかった。しかし、頭が理解してくるにつれて、急速に頬を赤らめさせた。
『つ、つまり、俺がアンジールの上に座るって事?! ちょっ、ちょっと待った……』
実は初めてだ。初めてだからこそ、物凄く恥ずかしい。
いつもはアンジールに見下ろされながら。以前一度だけ、後ろから。物凄く恥ずかしかったけど……、物凄く気持ち良かった。そんな事、言えない。