些細な事で喧嘩した。
「どっちが相手の事を、より好きか」とか、そんなくだらない事だと思う。
俺は多分、アンジールが俺を思う以上に、アンジールの事が好きだ。
俺は恐らく、ザックスが俺を思う以上に、ザックスの事が好きだ。
ほんの少し酔いも回っていたから、お互いむきになった。
俺はあんたが思う以上に、あんたが好きだ。
俺はお前が思う以上に、お前が好きだ。
好きになられるより、好きになるほうがいい。
でもそれは、時によってとても苦しい。
ふとした瞬間に、それは一方的な自己満足に過ぎないと思ってしまうと、恐ろしく打ち拉がれる。
例え思いを目に見える形にしても、それは薄いフィルターを通しているようで酷くもどかしい。
どうして、ただ純粋に好きでいられないのだろうか。
「好き」という、その事実だけでいいのに。
先に泣き出した自分の負けだ。
ザックスはそう思いながらも、涙を止める事が出来なかった。
目の前の相手が好きだ。
そんな自分も、好きだ。
抱き締める。
言葉なんて役に立たないから、抱き締める。
抱き締めて、抱き締められて、自負する。
自分は……、目の前の相手が、
20121021