今の自分の中にはない言葉、だな。
この思いに、「諦める」なんて言葉は存在しないんだ。
だって、それほどに大好きだ。
うるさがられても、鬱陶しげにされても、諦めない。
今回ばかりは俺、諦めが悪いみたい。ごめん。
そりゃ、「本当は……」とか「もしかしたら」とか、色々考えちゃうけどさ。
そういう事って考えてもキリがないし仕方ないし、それこそ最初っから有り得ないになっちゃうし。
この気持ちに気付いた時、自分の中に驚きと戸惑いがあったのも事実だし。
…………。
だって、俺は彼と同じ男だ……、同性だ。そりゃ、途惑うよ。今まで好きになったのは、みんな女の子だったし。
でも、今は彼の事を好きな自分が好きだったりする。
嬉しいし、楽しいし……時には切なくなったりするけどさ。
第一、自分の気持ちに嘘はつきたくないしな。
それに……、分かるんだ。
本気で嫌がってはない、って。
だって、笑ってくれる。これがまた、カッコイイんだ。マジで。
「しょうがないな」とか言いながらさ、優しく笑ってくれる彼が大好きだ。
思わず見とれそうになるし、胸の奥がきゅんとするし、ドキドキするし。
恥ずかしいくらいに恋してるから、もう誰にも言えない。
……とか言いながら、言っちゃったか、あんたに。
俺の、諦める?
だから、俺は諦めないの。
え、どうしても?
何だよ、それ……面白いな、あんた。
うーん……取り敢えず、目の前の「諦める」は明日の食堂のランチA定食かな。
俺が好きなメニュー、しかもあまり定食にはならないやつなんだけど、明日は朝から任務でずっと外出るから。
これはさすがに、諦めるしかないだろ。
でもさ、味気も素っ気もないレーションでも、彼と一緒だから美味しいかもなって。
あーっ、今笑っただろ?! 何だよ、折角答えてるのにさ。
……ま、いいけどね。
そんな訳で、恋しちゃってるんだ、俺。
言っとくけど、彼には内緒にしておいてくれよな。
そのうち俺が自分で伝えるからさ。
「あんたが大好きだ」、って。
20120219